はじめに
朝のスタイリングで欠かせないコテ(ヘアアイロン)。
でも、使うたびに「髪がパサパサする」「傷んでしまった気がする」と感じたことはありませんか?
コテは使い方を間違えると、髪に大きなダメージを与えてしまいます。
しかし、正しい使い方を知っていれば、コテは髪を美しく魅せるための心強い味方になってくれます。
この記事では、美容師の視点から「髪をできるだけ痛めないコテの使い方」について、詳しく解説していきます。
コテで髪が傷む主な理由
まず、なぜコテを使うと髪が傷んでしまうのでしょうか。
主な原因は以下の3つです。
1. 高温によるキューティクルの損傷
髪の表面には「キューティクル」と呼ばれるうろこ状の保護層があります。
このキューティクルは、60度を超えると徐々に開き、130度を超えると破壊が始まると言われています。
コテの温度は一般的に150度から180度程度。
つまり、何の対策もせずに高温をあてると、髪のキューティクルが傷つき、内部の水分や栄養が流出してしまうのです。
2. 水分の蒸発による乾燥
熱によって髪の内部の水分が過剰に飛ばされてしまうと、髪は乾燥してパサつきやすくなります。
乾燥した髪は弾力を失い、切れ毛や枝毛が起こりやすい状態になります。
3. 摩擦による物理的ダメージ
コテで髪を無理に引っ張ったり、巻きつけたりすると、摩擦によるダメージが加わります。
この摩擦も、キューティクルを傷つけ、手触りを悪くする大きな原因になります。
髪を守るために守るべき基本ルール
では、具体的にどのようなポイントに気をつければ、コテによるダメージを最小限にできるのでしょうか。
乾いた髪に使う
コテは必ず、完全に乾いた髪にのみ使用しましょう。
濡れた髪はキューティクルが開いていて、非常にデリケートな状態です。
この状態で高温のコテをあてると、「ウォーターバブル現象」と呼ばれる内部爆発が起こり、髪が深刻なダメージを受けてしまいます。
シャンプー後はドライヤーでしっかり乾かし、湿気が残っていないか確認してからコテを使うことが大切です。
コテを使う前に熱保護アイテムを使う
熱によるダメージを防ぐためには、コテ専用のスタイリング剤や耐熱効果のあるヘアオイルを使用することが効果的です。
これらのアイテムが髪の表面に膜を作り、熱ダメージを直接受けるのを防いでくれます。
特に、熱保護ミストや軽いテクスチャーのオイルがおすすめです。
適切な温度設定をする
髪質によって、適切なコテの温度は異なります。
細くて柔らかい髪は120度から140度くらい、普通〜やや太い髪なら150度から170度、太くて硬い髪でも170度から180度以内に設定するのが理想です。
180度を超える高温で何度も巻いてしまうと、どんな髪質でもダメージは避けられません。
できるだけ低めの温度で、短時間でスタイリングを終えることを意識しましょう。
髪にコテをあてる時間は3〜5秒以内
コテをあてる時間が長いほど、髪に与える熱ダメージは大きくなります。
髪に巻きつけたら、3〜5秒以内で素早く巻き終えることを心がけましょう。
「クセがつきにくいから」と何度も巻き直すのではなく、毛束を少し細かく分けたり、温度を適切に調整する工夫も大切です。
髪を引っ張らず、優しく巻く
コテで髪を強く引っ張ったり、ねじったりすると、髪表面のキューティクルが削られてしまいます。
巻くときは、髪に負担をかけないよう、やさしく自然に巻き込むイメージで操作しましょう。
コテ使用前後のケアが未来の髪を守る
使用前のケア
コテを使う前には、以下のケアを必ず行いましょう。
しっかり乾かす 熱保護ミストやオイルで髪をコーティング 目の粗いコームで優しく髪をとかす
これだけでも、髪への負担を大きく減らすことができます。
使用後のケア
コテを使用した後も、ダメージを最小限に抑えるために保湿が重要です。
アウトバストリートメントや洗い流さないトリートメントで、髪内部に水分と栄養をしっかり補給しましょう。
さらに、週に1〜2回の集中トリートメントも取り入れると、髪のコンディションは格段に良くなります。
髪を痛めない巻き方のポイント
・毛束は細めに取り、無理に太くまとめない
・根元から巻かず、中間から毛先にかけてカールを作る
・コテを抜くときは、滑らせながらやさしく抜く
これらを意識するだけで、仕上がりの美しさも髪のダメージケア効果も大きく変わります。
まとめ
コテは正しい使い方をすれば、髪を傷めるどころか、美しいヘアスタイルを作り上げる心強いアイテムになります。
完全に乾かした髪に使うこと 熱保護アイテムを活用すること 温度と時間を適切に管理すること 巻くときは髪にやさしく 使用後の保湿ケアを忘れないこと
この基本を守るだけで、髪の美しさは確実に変わってきます。
毎日のスタイリングも、もっと楽しく、自信の持てるものになるはずです。
髪を大切にするために、今日からぜひ取り入れてみてください。